目黒 手打ちそば小菅 鴨ロースと葱天で呑みたい休日の昼下がり
JR目黒駅を背にしまして、権之助坂の右手側を
中ほどまで下ったところの複合ビルの地下にあるこちらは
僕が『蕎麦呑み』に開眼する以前から足を運んでいるお店。
決して敷居の高い印象を受けるような造りではありませんが、
今では『老舗』と言っても違和感のないほどの
風格さえ漂っているように思います。
休日の開店時間は12時だけれど、
その直後に満席になることも少なくないことから、
『昼呑み』目的の僕は、
混雑の引ける午後2時ごろに照準を合わせ、
階段を下りるのでありました('◇')ゞ
右手の引き戸を開けて顔を出し、
女将さんが振り向き、満面の笑みで迎えて下さるのを確認後、
カウンターの奥へと向かい腰を下ろします。
一応、ちょいとお酒のお品書きに
視線を向けてみたりもするけれど、
此方ではキレッキレの端麗辛口、
石川の『黒帯』でのスタートが恒例♪
小動物の背中を思わせるような
可愛い酒器にも愛着が湧きます( *´艸`)
カウンター越しに見える、
ご主人の背中を眺めながら傾ける一献がまた旨い♬
きょうは小菅さんのスペシャリテ
『鴨ロースせいろ』と決めて参りましたので、
『お蕎麦声掛け』で注文♪
程なくして白葱の天ぷらを伴った鴨ロースが現れると、
その横に『謎の天ぷら』を発見♪( *´艸`)
それは夜のお通し用にしつらえた『イカしんじょの天ぷら』で、
時折ご主人が味見させて下さる呑兵衛の特権的シロモノ(*´▽`*)
「はふはふ」しながら頬張ると
天にも昇る心地の旨味が口中に広がります♪
そして、
色よく揚がった『白葱の天ぷら』に鼻を寄せれば、
その芳ばしさがストレートに鼻腔を突き抜け、
中心部分のねっとり感と甘みは、
最高の燗酒のアテとなります♪
放って置いたら、この『白葱の天ぷら』だけで
燗酒3合は軽く呑めてしまいます~( *´艸`)
そんなわけで、
2本目は同じ石川の『菊姫』を熱燗で♪
『黒帯』に比べると、柔らかな飲み口で、
呑みやすい軽快な造りのこのお酒は、
お料理の邪魔をすることのない優等生~♪
肉厚で理想的な調理加減の鴨ロースは
しっとりとした食感と、容易く噛みちぎられる柔らかさで、
噛むほどに香り高く、
旨味の余韻と燗酒の風味との相性も良好~♪
面長な蒸篭一面に敷き詰められたお蕎麦は
黒い外皮や淡い色の甘皮も適度に練り込まれた、
颯爽とした顔立ちの細打ち。
薬味は葱と山葵で、
山葵は燗酒のアテとして舐めても充分楽しめる上質のもの。
ずばり、こちらのお蕎麦の魅力と言えば、
香り・風味・のど越し・かえし・お出汁、
これらすべてが調和した、
バランスの良さにあるように思います。
そば湯は釜湯で、
まろやかな旨味の辛汁に、薬味の葱を加えて割って啜れば、
「調和のとれたお蕎麦っていいな~♬」
との思いが滾々と湧き上がる、
味わい深い午後のひと時でございました('◇')ゞ