広尾 蕎麦 たじま 洗練された味わいと蕎麦打ちの妙技
都立中央図書館が園内にあることから、
かなり頻繁に足を運んでいる有栖川公園の横にありながら、
お昼時の混雑で溢れかえるシーンを
何度も目の当たりにしているうちに、
こちらの『たじま』さんには
すっかり足が遠のいておりました。
ところが最近、
久しぶりにお店のHPを開きましたら、
いきなり目に飛び込んできたのは、
『4月よりお昼の営業を木・金・土曜のみとさせて頂きます』
という衝撃の告白!!!
そのような訳で、
益々狭き門となるお昼のメニューを
今のうちにゆったりと愉しませて頂こうと、
3月最終週前半の平日の午後2時前に
慌てて足を運ばせて頂いた次第です(*'▽')
最寄りは東京メトロ日比谷線『広尾駅』。
駅を出て、通称『テレ朝通り』を5分ほど登った左手に
白壁のお店が目に入ります。
壁の内側は、全面良く磨かれたガラス張りになっていて、
取っ手に手を掛けドアから中に入りますと、
先客は1人×2のふたり。
右奥の4人用テーブルにゆったりと腰を下ろし、
すかさず花番さんが出してくださった蕎麦茶を啜りながら、
口開け後にはごった返す繁盛店で、
ひとり寛げる幸せを噛みしめながら、ほっこり♪( *´艸`)
お酒は京都の『澤屋まつもと』を熱燗で注文。
シンプルでスマートな酒器は
テーブルの暖かい木の色調と溶け込んで美しい。
持って注ぎやすい気遣いの感じられるカーブが素敵よね~♪
お通しは八丁味噌系の黒い『そば味噌』。
ほのかなビター感が燗酒の旨味を引き立てます(*'▽')
今日の目的はランチセットの『お昼の献立』。
『合鴨と根菜の炊き込み御飯』は売り切れ、
とのアナウンスにも全く動じることなく、
最大の目当てである『もりそば』をチョイスして、
こちらのセットで決定~♬
先ずこの『香の物』からして、
定食の添え物にありがちな『浅漬け』とは一線を画した
漬け具合と上品な風味に感動(*'▽')
昆布の佃煮も淡麗辛口な燗酒には最高のアテだな~♪
小鉢は『胡麻寄せ豆腐』。
胡麻の香りと風味が口に鼻にと愛らしく響き渡る、
究極のレシピと拍手を贈りたいほどの完成度の高さ。
このお値段でよろしいのかしらね~( *´艸`)
ある意味『合鴨と根菜の炊き込み御飯』は
売り切れてて良かったのかも~♪
と思えるほど、お出汁の滲みた『鳥のそぼろ』は薫り高く、
その甘味と辛味の調和のとれた深い味わいは
筆舌に尽くし難いほどの気品を感じます。
『もりそば』はエッジが立ち、繋がりも良く、
あたかも笊の上で踊っているかのような瑞々しい顔つき。
鼻の下に寄せますと、間違いなく穀物の香りが鼻腔を擽り、
手繰り寄せて啜り上げれば、
その蕎麦の風味と鼻から抜ける香りが二重奏を奏でます♡
こちらの辛汁は寝かせてこなれたかえしと
お出汁の風味とのマリアージュも絶妙♬
そば湯は釜湯で、
勿論辛汁を割っても美味しいのですが、
そのまま啜っても穀物の味わいを余韻まで楽しめます(*'▽')
今日のお蕎麦は北海道・栃木・福井の
3種ブレンドとのことでした。
これだけ愉しんで2,000円でお釣りが来るのだから
嘘みたいな話よね~( *´艸`)
やはり人気店というもの、
何かしら、他にはない地味な努力を
日々続けているのだということでしょう(^^)