SOBANOMI~蕎麦呑み~

蕎麦屋de食べ歩き、日本酒呑み歩き&時々その他的忘備録

亀有 吟八亭 やざ和 圧倒される程の香りは福島県山都の蕎麦

お伊勢さんの、
式年遷宮直後のヒノキの色合いは
その鮮やかさに魅了されますが
時を経た遷宮前の色合いとなりますと、
その深淵な趣に心安らぎます。

それと同じように、
今のこちらのお店の佇まいを遠目に拝見しますと、
暫し立ち止まり、
その木々の慎ましやかな色合いにこころ和ませて頂く、
というのも一興かもしれません(*^。^*)

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常磐線亀有駅下車。
この街を舞台にしたコミックに
興味のあるなしに拘わらず、
5分ほども歩けば見えてくる、
分かり易い交差点の角に、この店はあります。

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外観と内観の木目の色調のギャップに、
このお店の年輪を感じながら暖簾を潜り、
ひとりであることを花番さんに告げると、

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店内中央6人掛けのテーブルへと案内されたので、
窓際の席に腰を下ろし、
すかさず出して頂いた蕎麦茶で先ずはいっぷく♪

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老舗にありがちな、
お品書きに銘柄は記載せず、
『日本酒』とするストレートな筆遣いに、
ある種の拘りを感じつつ、
日本酒の銘柄なんですか~?と問えば、
意表を突かれたような面持ちで、
足早に厨房へと問い合わせる花番さん。

フレンチレストランのソムリエさんにはない
親しみ感じるわね〜〜(*´▽`*)

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で、奈良の『嬉長』とのことなので、問題なく熱燗で注文。

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お通しは『そば味噌』と『数の子酒粕和え』。
淡麗辛口な燗酒は、
どちらの風味をも引き立てる名わき役(*''▽'')

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蕎麦はと言えば、
2階入り口前で手挽き石臼製粉真っ最中の、
ご主人の姿を見てしまったからには
『そば道楽』を頼まずにはいられないわね~( *´艸`)

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第一のお盆で運ばれたのは『そばがき』。

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穀物のなんとも甘い香りが鼻腔を直撃(≧▽≦)

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もちもちな食感がたまらないな~( *´艸`)

甘み優位な辛汁も、深みがあってとても良いんだけど、
殆ど使うことなく完食してしまった('◇')ゞ

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第二のお盆は『せいろ』。

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瑞々しい光を放つ端正で美しい蕎麦に、
鼻をそっと近づけると穀物が香り立ち、

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手繰り寄せて啜ると、
ミネラルが口いっぱいに広がります(*''▽'')
二八の繋ぎ効果以上の腰の強さも感じられて、
のど越しの良さも快感~♡

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続く手挽きの『田舎せいろ』は
透明感と輝きのある蕎麦の中に、
黒いホシの散らばる凛々しい細打ち。
鼻の下まで引き寄せると、
のけぞるほどの穀物の甘い香りが立ち上がり、

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手繰って啜り上げれば、
鼻腔から抜ける強烈な香りに目眩を覚えるほど(゜o゜)

伺ったところ、
玄蕎麦の産地は『せいろ』が福井県大野で、
『田舎せいろ』は福島県山都とのこと。
いやはや、山都の蕎麦の出来の良さには参りました~(''◇'')ゞ

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薬味は『せいろ』が葱と山葵で

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『田舎せいろ』は葱と辛味大根。

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そば湯はとろみをつけたタイプで、
香り風味ともに十分楽しめるもの(*''▽'')

帰りがけに立ち上がった際の、
ほのかに漂っていた天ぷら用胡麻油の香りが心地よく、
次は天種を頂こうと心に決めました~♡( *´艸`)

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ずっと手挽き作業を続けていらっしゃったご主人に、
山都の蕎麦の『田舎せいろ』は
のけぞるほど香りが素晴らしいですね~♪
と申し上げたら、
あ~そうですか~、
とひと事のように返す物言いに、
慎み深いお人柄を感じました(*´▽`*)
お写真も快く承諾してくださいまして、
ありがとうございますm(__)m

吟八亭 やざ和そば(蕎麦) / 亀有駅
昼総合点★★★★ 4.3